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 ときどき日記
4月3日(日)

相変わらず余震があって少し緊張するような事もあるが、震災から3週間余も経ち、
地震との付き合い方もだいぶ慣れてきたような気がする。私たちの長い人生の中でも、一番大きく、恐ろしい地震であった。
が、幸いなことに我が家では、全く被害がないといっていいほどで、ラッキーだった。棚の上に飾ってあったどうということのない人形が4,5ヶ落ちたぐらいで、それも全く破損せずに、
再び元のように飾る事が出来たのは、幸いであった。
同じ岩手県の中でも沿岸部の方々の苦しみを思って毎日涙しているが、それとて簡単に私が解決出来る事ではないので、
なんにも出来ないのは悔しい。しかし、夜になって布団の中で静かに考え出すと、もしかしてひどい状況の中で
暮らしているのではないかとか食べるものがあるのだろうかと考え始めるとどんどん気持ちが暗くなって
義捐金だけでは物足りなくなり、せめて手紙だけでも出してみようかと、沿岸部に住んでいるお客様たちに
春らしい葉書と切手を使って書き始めた。しかし、ここで、はた、と思った。いったいテレビで見るようながれきだらけの
町で無事に相手に手紙が届くのだろうかと、とても心配になった。次の日の夜、相手の方々からお礼のお電話を頂戴し、
私の考えは、杞憂であったことがわかった。あの私の書いたたった一枚の葉書・・・・、よく届いたものだと思って
感心している。ということはテレビに出なくとも陰で一生懸命町のために頑張っている人たちが大勢いるという事なのだ。
悲しいこともいっぱいあるが、奇跡に近い救出劇もあったりして、新聞を見ては、感動の日々だ。
取材の人たちの御苦労もしのばれる。
それにしても復興しようと前を向いている沿岸部の人たちを美しく思う。

2011.4/庭に出てきた水仙の芽

4月5日(火)
久しぶりに暖かな一日だったので、近所にあるガーデニングの店で、花苗を購入してあちこちに植えた。
震災があってからというもの毎日テレビを観る時間が増え、また、その映像にも心が潰れなかなか
花を植えようというような前向きの気持にはなれなかったというのが、正直な気持ちでもあった。
幸いなことに我が家では、全く被害がなかったので、
後かたづけとか建物の手直しとかが必要なく、
部屋のガラス拭きなどの仕事をして一日を過ごしている。冬の間雪が持ってきた汚れだけでなく、
もう黄砂による汚れが始まっているからである。黄砂は毎年春に中国からやってきて、タイミングを
間違えると、車を洗った後にすぐにまた、車が真っ白になってしまう事もあって、何度も
この砂塵で、がっかりしているのだ。が、車に降りる黄砂ぐらいは、なにほどのものでもないが、植えつけた
花苗がいつものように大きく育ってくれれば、今年は、特に嬉しいだろう。当たり前の事が実は、
嬉しかったり、幸せだったりするからである。地震後、始めて電気が点った時には、思わず皆で手を叩いて
喜んだほどだ。復活という言葉が頭をよぎったからに他ならない。


4月13日(水)
盛岡市内のスーパーに行ったら、入口辺りにたくさんの種類の野菜を並べて売っていた。参考までにと思い、生産地を見てみると茨城産がほとんどで、値段は、とても安かった。特に青物の野菜は、例えばレタスが1個100円ホウレンソウが100円という
按配でお買い得になっている。原発の事故の弊害が騒がれている時期だからこそ、たくさん買おうと、青々として
美しい色の青菜を買った。どれもおいしそうである。家に帰ってキャベツとベーコンで焼きそばを作り、レタスとトマトで
サラダを作った。もちろん味が今までと違うなどということはない。とてもおいしい。目に見えないものというのは、却って厄介なものかもしれない。そこに青虫がついているというような状況であれば、なんのことはない、簡単に手で取ってその悪いところを
排除するだけの事なのだが・・・・・。それほどの線量ではないようだし、これからも自分で食べる分に限っては、積極的に購入していただこうと思います。生産者さんたちの御苦労に感謝して。今日、庭先に紫のクロッカスが出てきていた。日増しに

春が近づいている。




4月22日(金)
先日、地元の大学で原発についての講義があるという情報が入ったので、出かけました。
あらかじめ私には、難しい話であるということは予想されたが、大学の教室の150席は満席だったので驚いた。状況からしていかに関心が高いかを思いしらされた。しかも熱気に満ちている。女性もかなりの数であった。
過剰過ぎる生活の中にいて、それを当たり前の事として暮らしていた最近の私たちであったが、
電気なしには、成り立たない便利な生活がいかにもろかったかを少し、詳しく勉強したくて参加したこの
講義は、わからないながらも一部分は、大変興味深くて、参加してよかったと心から思った。産・官・学それぞれの立場で原発の推進に対して賛成意見も反対意見もあるが、最終的には、事実を知って冷静に怖がりなさい、という教えだった。原子力のリスクは確かに大きいが、多くの人間が住む社会では、強大なエネルギーを必要としており、
社会的な合意を得られるレベルまで、安全が守られる技術が進歩するように祈るばかりです。見切り発車が恐ろしかったと今にして思う。実際に毎日報道される避難者のご苦労を知るにつけ、早くこの心配ごとが
解決しないかなあと思っている人は、多い事だろう・・・・。生命環境を危機にさらす核の安全神話が崩れ去り、安全性に対する社会の要求水準も一層高まると思うし、幸福な社会をつくるためにも学者の方々にはさらに研究を進めてもらう事や私たちもエネルギーを浪費しないように個々が努めなければならないという改善のチャンスと捉えたらどうでしょうか?あまりにも犠牲が大き過ぎただろうか?最後の質疑応答は、時間が不足するくらい熱心に行われ教授たちも大変そうだった。そんな中、今日は、有名な盛岡の石割桜が咲き始めたという記事が新聞に掲載されました。


4月27日(水)
盛岡地裁前にある国指定天然記念物の石割桜が26日、見ごろを迎えた。なんら地震前と変わる事なく、見事に力強く咲き誇っている。例年と変わったところと言えば、震災の影響で、見物客が少ない事だけである。今現在は、八分咲きであるが、満開といっていいほどの開花ぶりだ。石割の石は、花崗岩であり、その高さは、1。7メートルもある。石割桜という有名なお菓子もあり、そのさくさくとした歯ごたえは、多くの人々に愛されていて、手土産として使われることが多い。この桜の見事な様子をぜひ、全国の方にも見ていただきたいものと思う。
ただ、この桜の種類は、よくいうソメイヨシノではなく、エドヒガンザクラなので、ソメイヨシノより、
ほんのわずか赤みが強いように思われる。この調子でいけば、連休は、さぞかし、見事な咲きっぷりを
見せてくれる事間違いないと嬉しく思っている。震災のあった3月11日以降、今まで当たり前と
思っていた事が、決して偶然に起こっている当り前ではなく、当り前であるかのように
保持保全されてきたからなのだと考えるようになった。このことに対する感謝の言葉は、とても言い尽くせない。新聞の記事を見ても多くの人たちがそのように思っているように感じられる。文面からもその思いがあふれている。その意味からいえば、今回の地震がみんなに与えた
事は、決してマイナス面ばかりではないと強く思われるのだが・・・・・。
3/26石割桜(盛岡市)

5月8日(日)
何日か暖かい日があり、今日は、とうとう小岩井の県道沿いの桜が見事に満開となった。
しかし、一本桜は、まだである。私が観たところ、およそ5分咲きかな?
もうあと何日か暖かい日があれば、簡単に満開になりそうだ。なんとも気を持たせる一本桜ではある。
 遠く、愛知県からのお客様もあるというのに/
それにしても同じ雫石町の中で、3分咲きだったり、
5分咲きだったり、満開だったりと、いろいろな咲きようがあるのは、標高差によるものなのかも
しれないし、はっきり言ってわかりにくい。朝と言わず、夜の内から一本桜のある場所に
通って「いまか、いまか・・・・」と待ちかまえておいでの方々もいらっしゃるので、もっとはっきりとした情報をお知らせしたいのだが、これは、結構困難を極める。他にも雫石駅近くの雫石園地の桜も今日、見に
行ってきたが、やはり、十分とは言えない感じで咲いていた。下では、宴会を開いていたが、満開とは
 いえなかった。咲くまでは気を持たせ、散る時は、一気に落ちる。その様は、普通の花と違って思い切りがいいと感じる。驚くのは、連休が終わっても毎日一本桜前の駐車場に全く空きがないほどびっしりで
大勢の人たちで混雑している事である。およそ50台ほども停まっているようだ。

5月14日(土)
おととい、イベントのページでご案内している八幡平市の「いちご刈り」に行ってきました。
大きくて甘くて、新鮮なたくさんのイチゴが私たちを待っていてくれました。あまり聞いたことのない
新しい銘柄のものもあって、どれもこれもとにかくおいしかった。連休中は、さぞ賑わった事と
思われるが、当日は、平日ということもあり、私たち3人の他には、二人の人がいるだけで、大量のイチゴを自由にもぎ取り出来る贅沢な状況だった。大震災の後という事もあり、とても幸せなイチゴ狩りが出来る事に
申し訳ない思いも湧いたが、人生いつなんどきどんな事が起きるやもしれず、楽しめるときは思いっきり
楽しむに限るであろう。イチゴ狩りの後は、これまた、展示即売している花の苗も見てあれこれ混ぜて購入し、帰宅してから鉢や、庭に植えつけた。久しぶりに静かなひとときを過ごす事が出来た。

5月17日(火)
いつもは、旅をしてくる方々をお迎えする立場の私達であるが、昨日、機会があって岩手県北部の沿岸部まで一泊旅行をしてきた。時が時だからであろうか、高速道路も車が少なく、宿も我々3人の他には、もう一人という静かさで、
落ち着いた雰囲気であった。総じて少し寂しかった。今回の大震災で、自粛ムードが漂い、ホテル関係や、飲食店関係の人たちからの悲鳴にも似た入込みの減少に対する不安が多く聞かれる。受け入れ側にしてみれば以前と変わらぬ対応をしているにも関わらず
結果が悪いという事が続けば、とどのつまりは、それが、すべての人に

関わってくる事になるから、本当のところは、今まで通りの行動をする事の方が復興も早いのではないかと考える。実際に
食事もずいぶん手をかけたものだったし、広いスペースを少ない人数で使わせていただいて、申し訳ない気がしてならなかった。
自分たちにしてもそうなのだが、気分的なものだろうと思うが、もう少し、人々が行動し始めるには、時間が必要だという
事のような気がする。まだ、気分が乗らないところがあるのは否めない。しかし、季節は、いつのまにか春から、新芽の季節に
移っていて、全ての木々の若芽の色が美しい。この先、山の方にもつつじなどの花が咲きだせば、さらに見事な風景と
なっていくに違いない。初夏は、東北を旅するなら、絶対にお勧めの季節である。




5月26日(木)

今週は、行事が多くてほとんど毎日盛岡まで外出しなければならなかった。コンピューター関係の講習会、送別会、図書館、などなどの用事を足していると、本当は、一番やりたい仕事の草取りがどうしてもなおざりになってしまった。草取りは、やればやっただけの成果が目に見えて気持ちがいい仕事の一つである。特に梅雨前の今頃は、一日に伸びる草の丈も半端ではないしあれこれ考えながら気持の整理も出来るしで一石二鳥である。その上、ラジオを聴きながらの草取りは、時事にも長けてくるし、ますます有効である。草取りは、趣味とまで言い切った知り合いがいたが、ごもっともと思うほど、楽しいものである。その上、あちこちに思ってもいなかった
花芽が出ているのにも出くわしたりして気持ちがパッと明るくなる時がある。今日も私の大好きなアストランティアの華奢な花芽がたくさん風に揺らいでいるのを見て心が躍った。バラやユリの花のように決して主役には
なれない花なのであるが、その形や花色は、ひそやかに舞っているバレリーナのように美しく優しさと強さを秘めた魅力いっぱいの宿根草である。来週は、少し落ち着いて草取りを楽しもうと思う。

6月2日(木)
今朝とうとう郭公が鳴き始めた。若葉と郭公とピンクや赤のボタンの花、小岩井の一番美しい季節である。
何かと忙しい日々であるが、郭公の鳴き声を聞いただけで心が洗われるようだ。しかし、明日から東北方面に強い台風が来るという。風も雨も強いというのでかなり身構えていたのだが、結果なんの被害もなくて安心した。しかし、被災地の方は、かなりの雨で映像では水浸しのように見えた。またまた追い打ちのように被害が重なり、地元の人たちはさぞ重い気分だろうと心が晴れない。自然の力の荒々しさ、反対に癒しも底知れないパワーだとつくづく思う。先週は、八戸まで行ってきたが、海岸線からかなり入ったところでさえ、津波でシャッターや窓ガラスが壊れており、町もひっそりしていた。水産業で有名な八戸の完全な復興はいつになる事だろうか?しかし、水産物を主に取り扱っていていつも賑わっている今や観光スポットという感もある八食センターや、夜の繁華街は若者であふれていて、八戸はもはや元気な町という印象を持った事も確かである。B級グルメで有名なせんべい汁もあちこちで食べる事が出来た。わずか一泊の旅であったが、有意義な時間を過ごす事が出来た。東北の観光資源は豊だし、それぞれの地域が個性的で、季節ごとの魅力がいっぱいだなあとつくづく思う。
6月9日(木)
地元の某テレビ局の開局15周年記念の特別展として、一時テレビを賑わせた小惑星探査機「はやぶさ」の展示会がいよいよ盛岡であるというので、整理券を得ようと申し込んだところ、さっそく送られてきた。今月始めの事である。
当日は、相当混む事が予想されるので、電車で、出かける予定にしている。「はやぶさ」は、60億KMも宇宙を旅して、奇跡の生還をとげた探査機である。カプセルが大気圏に突入してからオーストラリアの大地に帰還するまでは、高熱の問題があり、無事に帰られたのは、ほんとに奇跡に近いものだったという。隕石からはなんらかの研究資料も採取してきたという事であり、これからの研究結果が待たれるし、成果が楽しみである。おりしもロシアの有人宇宙船「ソユーズ」も打ちあげられて、こちらはおよそ5か月半もの間国際宇宙ステーションに滞在して種々の研究をするという話である。長い人生の中では今回の震災のような大きな苦難もあるが、たまには、cosmicの事を考えて天体に夢を馳せて見ることも悪くないだろう。
6月13日(月)

庭の「エゴノキ」がそろそろ咲きかけてきた。白い小さな花が一つの枝にびっしり着く木で、しかもその清楚な様はなんとも言えないくらいなのである。最近、庭木として人気が出てきてお値段も以前より高くなっているという。我が家では偶然手に入った木であるが、とにかくその花を観るだけで気持が洗われるように思えるので、とても気にいり、自分のパソコンのディスクトップとして使用しているほどである。また、その小さな実は、
お手玉に入れるといい音がするので利用されているという事である。日本では、北から南まで普通に生えているというから御存じの方も多いかと思うのだけれど。私は、好きな花の一つなので、散歩の時わざわざ遠回りして見に行くほどである。